TMS治療

当院では準備が整いしだいTMS治療の受入開始を予定しております。
適応疾患は「うつ病」「うつ状態」の方に限り、自費診療でTMS治療を20時頃からおこなう予定としております。
適応を満たし安全にTMS治療がおこなえる状態である前提のもと、平素より通学や通勤をされている方にとって通いやすい時間帯での施行提供を検討中です。御興味のある方は御電話で御連絡ください。(予約システムなどを導入し夜間帯での施行であるため、当院関連の京都 桂川洛西口くれたにクリニック とは施行内容や費用設定が異なります事を御了承ください)

従来のうつ病治療とは異なる経頭蓋磁気刺激治療(TMS治療)

経頭蓋磁気刺激治療(TMS治療)は、磁気刺激を利用した新たな「うつ病」「うつ状態」への治療法です。アメリカで研究開発が始まり、症状の改善効果や身体への安全性が確認され、アメリカ食品医薬品局(FDA)が2008年に治療認可しています。日本でも厚生労働省が2017年に治療認可されています。診断や内服治療経過などの条件を満たし、大学病院などの入院治療環境に限定された状況で、2019年6月に日本において保険診療による治療として適用されています。しかし、保険診療でTMS治療を施行するための施設条件等が厳しいため、日本では、多くの方にはおこなえない状況となっております。クリニックにおいては自由診療としてTMS治療がおこなわれ各所に広がりつつありますが、施行者の研修や知識等が不十分なケースがあったり、適応症を拡大しすぎているケースがあったり、営利目的に走っているケースがあったり、と日本精神神経学会が問題視しているところもあります。ちなみに、治療機械が1000万円クラスで高額であり、普及しているアメリカでの一回の施行費用は邦貨換算で2-3万円かかるのが通常とされています。日本のクリニックにおいては自由診療といえど医療行為であり、安全に治療を受けるためにはいくつかの受入可能となる条件があります。そもそも、万人に対してTMS治療が有効ではなく、20回から30回しっかり施行しても6-7割の方にしか効果がない世界的統計もあります。統合失調症や双極性障害や希死念慮のある方などへはTMS治療は不適応とされ、むしろ、修正型電気痙攣療法(mECT)が有効といわれています。当院では学会推奨の適応症の方に限り、5cm前進法よりも精度の高い刺激部位決定法を用いて、熟練した医師のみが直接TMS治療をおこなっておりますので御安心ください。独自の治療効果評価システムも導入しておりますので御安心ください。

副作用がほとんどなく、安全性が高いTMS治療

脳の特定部位を変動磁場で刺激し、脳血流を増加させるとともに脳神経細胞や神経ネットワークの活性化などを促し、低下した脳機能を回復させる非侵襲的な治療法です。薬物治療や修正型電気けいれん療法(mECT)と比較した場合、TMS治療は、副作用がほとんど生じることなく、有効な方へは治療効果発現が早く、安全性が高く、治療を続けやすい事も特徴です。
臨床研究では、うつ病以外の精神疾患の一部や、神経内科疾患への治療にも効果があることがわかってきています。実際、日本においても神経内科などで、脳梗塞後上肢麻痺の方々へリハビリテーション段階での治療に導入されています。

経頭蓋磁気刺激治療(TMS治療)の特徴

  • 化学生理学的な西洋薬内服治療とは機序が異なる、電磁生理学的な治療方法であり、一部の薬剤以外とは併用して治療することも可能
  • 目的局所のみへ高効率に効果発現することを狙って治療するため、内服治療と異なり全身的な副作用がほとんど生じない
  • 脳機能低下で「うつ病」が起こるメカニズムに対し、電磁気学の物理的理論に基づいて開発された治療法
  • 電気抵抗となる頭蓋骨を容易に飛び越える変動磁場を用いた刺激伝達をおこなうため、低エネルギーで高効率に安全で有効な治療が可能

経頭蓋磁気刺激治療(TMS治療)がうつ病に効果的な理由

脳の血流状態などを確認できる画像検査が可能になったことから「うつ病」などを発症している場合には、特定部位の脳血流や代謝活性などが低下していることがわかっています。世界的におこなわれた各種刺激試験結果に基づいて決定された磁気刺激方法を脳ターゲット部位に加えることで、理論的には脳機能の活性や抑制などをおこなうことが可能です。実際に「うつ状態」を改善する磁気刺激を加えると、血流低下部位の血流改善や「うつ状態」の改善データ等が得られています。現時点で「うつ病」「うつ状態」の方へ治療する場合は、左背外側前頭前野へ活性亢進させる刺激を加える磁気刺激方法が一般的であり、実際、日本国の保険診療にも同方法が適応されています。当院でおこなうTMS治療も、保険収載方法と同じ刺激部位に同等の効果がある刺激を加えるようにおこなっています。保険収載方法では30分以上の安静姿勢保持を要するのですが、世界的には改良されたシーターバーストモード刺激を用いることで、安全性と効果は維持したまま、10分程度の短時間で施行できるようになっており、当院でもシーターバーストモード刺激を用いて治療しています。

うつ状態での脳活動状態

脳は、身体全体をコントロールしており、思考や運動、生命維持などを調整しています。部位ごとにその働きが細かく決まっており、ネットワークとして働いています。「うつ病」の状態では、大脳の背外側前頭前野(DLPFC)の活動低下と、側頭葉内側奥にある扁桃体が過剰に反応することで生じると考えられています。
背外側前頭前野は、判断・意欲・興味をコントロールしており、この部位の活動が低下すると意欲が低下するといわれています。
扁桃体は情動の中でも特に恐怖や不安の調整と深く関与しており、この部位が過剰に働いている状態では、過度な激しい不安に襲われるといわれています。

このような方におすすめします

  • 長期間、抑うつ状態が続いて、症状が改善しないままでいる
  • できれば向精神薬を服用したくない、少しでも減らしたい
  • 長期間内服しているが薬の効果が実感できない
  • 薬の副作用が強く、服薬の継続が難しい

うつ病へのTMS治療と薬物療法の比較

※スクロールで全体を表示します
  TMS治療 薬物療法(西洋の抗うつ薬)
治療期間 約3~4か月 約1年~2年
副作用 ほぼ無し
(施行中の頭皮刺激痛や数日間の頭痛程度)
消化器症状などの副作用を認める場合あり
(副作用止めで改善できることが多い)
治療効果を感じる最短期間 1~4週間 3~8週間

経頭蓋磁気刺激(TMS治療)による治療内容

左背外側前頭前野(DLPFC)を磁気で刺激して活性化させる非侵襲的な治療法です。背外側前頭前野(DLPFC)の血流や代謝が改善することで意欲や思考力といった機能が正常になります。二次的に扁桃体の過剰な活動も抑制されるといわれています。
効果のある方でも、一回の施行では10日から2週間の持続効果程度とされ、何度も繰り返しTMS治療を受けることで効果が持続し、症状が徐々に改善へ向かいますが、必要な回数はTMS治療開始時点の症状や状態、反応性などにより大きく変わります。一般的に30回程度の治療を受けることで反応する方は回復するとされています。

副作用について

うつ病の治療で一般的に用いられている抗うつ剤に比べると、経頭蓋磁気刺激治療(TMS治療)は副作用がほとんどないことが大きな特徴になっています。

経頭蓋磁気刺激治療(TMS治療)であらわれる可能性のある副作用

  • 治療中の軽い頭皮の痛み
  • 治療後、数日以内程度の頭痛

TMS治療の適否

TMS治療の適否TMS治療の施行適応となる疾患は、日本精神神経学会の推奨する「うつ病」や「抑うつ状態」を適応範囲としておりますが、将来的には強迫性障害や不安障害、不眠症などにも適応可能となる場合がありえます。双極性障害の方や希死念慮のある方など症状を悪化させる可能性のある疾患の方や、頭蓋内の動脈瘤クリッピング手術後、人工内耳や心臓ペースメーカー留置後、血管ステント留置術後の方など、磁気が及ぶことが禁忌である方には施行しておりません。その他、てんかんの既往や治療中、頭部外傷や意識消失発作のある方、妊娠中や未成年の方なども避けていただいております。施行可能か気になる方はお気軽に御相談ください。既に別の医療機関へ通院されている方は、患者さまから主治医に依頼して作成頂いた診療情報提供書などの情報を拝見し、当院での施行可否を決定させていただきます。当院での施行不可が決定となった場合にも結果報告のみとなりますことを御了解の程お願い申し上げます。

TMS治療の流れ

Step1お電話での御予約

TMS治療につきましては現在準備を行っております。準備が整いましたら受け入れを開始いたします。
その際はWEB問診へご回答いただいた後に、お電話でご予約下さい。

Step2症状評価および適用可否判断など(初回時のみ)

日程調整の連絡をさせて頂きます。受診時点の症状に対してTMS治療が適用となるかを担当医が判断し、安全に施行可能な場合のみ初回のTMS治療をおこないます。
※精神症状や身体状態によってはTMS治療が施行できない場合もありますが、安全施行の為御了承ください。

初回来院時にお持ちいただく物

  • 他の心療内科・精神科・身体各科に一月以上通院治療中の方は、安全かつ効果的な治療をおこなう為、可能なかぎり主治医からTMS治療への了承や許可を得て、診療情報提供書や紹介状を御持参ください。

Step3TMS治療の実施

初回は機器セッティングおよび治療をおこないます。(20分程度)
2回目以降も予約制で、各回の施行時間は10分程度です。治療回数に固定縛りはございませんが、少なくとも週1~2日ペースで合計20~30回程度以上おこなうことが推奨されています。
※施行時間や施行回数、継続期間およびその効果等には個人差があります。概ね6割程度の方に有効といわれていますが、効果の乏しい方もおられます。10回程度から効果判明する場合が多いです。

よくある質問

磁気刺激は痛いですか?

施行中のみ、前頭部皮膚に軽い痛みを感じる場合がございますが、施行後、痛みは消失いたします。生じる痛みは、デコピン程度で軽く叩かれる程度の刺激ですので御安心ください。

内服薬は継続しますか?

現在、既に抗うつ薬を服薬中の場合は内服を継続していただいても問題はございません。抗不安薬は脳活動を抑える作用があるため、減量していくことが望ましいです。世界的にはTMS治療のみでも有効的とされており、治療継続中に症状が改善するにつれ、抗不安薬の内服薬を減量していけることが多いです。しかし、内服薬には離脱症状などの観点から、減薬時期や方法には専門的な調整が必要となりますので、内服調整をおこなう際は自己判断でおこなうことを避け、医師の指示に従って内服してください。気になることがございましたら御相談ください。
(保険診療と自費診療は混合できない公的ルールがあり、当院でTMS治療を受けられる場合は、処方や診断書作成などを含めた保険診療はおこなえません)

磁気治療はどれくらい続けますか?

基本的に1回10分程度の治療を週1~2日、合計20~30回程度継続することが推奨されております。
※回数や継続期間などは個人差がありますが、費用面含め無理のない治療をおこなっていくことが必要です。

注意する点はありますか?

治療当日は、磁気刺激により金属部分に高熱が生じる場合がありますので、カラーコンタクトの装着、や化粧品、金属のピアスなどの装飾品などは外して御来院ください。入れ墨などの施術をおこなっている方は安全のため本治療はお断りさせていただいております。時計やクレジットカード、電子機器なども磁気の影響を受け、故障の恐れがございますので、可能な限り御持参されなせぬよう御願い申し上げます。
どうしても必要な場合には、お預かりすることも可能ですが、紛失などの際の責任は当院では負えませんので御注意ください。

住所 〒564-0001
大阪府吹田市岸部北2丁目1-24
千里ガーデンクリニックビルⅡ3F
TEL 06-6318-5525
診療時間
10:00~13:00
15:00~19:00

初診の方も二回目以降の方も完全予約制です。
休診日:月曜・木曜・日曜・祝日・土曜の午後

アクセスマップ

診療時間・アクセス

携帯駐車場(向かいのロイヤルホームセンター駐車場)をご利用ください。

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